十数年前、京都新聞にこんな記事があった。
秘境の大発見 昼も暗いトチの林をぬって流れる無名の滝
綾部 5段、全長100m 地理院届け出も
京都府北桑田郡美山町に近い綾部市睦寄町古屋地区の秘境に大きな滝の流れていることが四日、綾部市森林組合(福井治夫組合長)の現地踏査で分かった。地元の古老も存在を知らなかった未確認の冷線で、同組合は国土地理院に届け出を検討する一方、歩道整備を市に要請、新名所としたい意向だ。
滝は綾部市街地から28km離れた古屋地区をさらに約1km奥に入った地図上の府道:綾部-美山線の洞峠ふもとの堂奧谷にある。幅20cm程度のけもの道から残り約300mは道が消えている。5段滝になっており、落差十数メートルの滝をはじめ谷川部分を含め、流れ落ちる全長は百メートルはあろうかと思われる。周囲に野生のアジサイが咲き乱れ、トチの巨木が茂る谷間にしぶきを上げて流れる。
1994年(平成6年)7月5日 京都新聞
記事、写真はなべちゃんのHP試作箱から転載させて頂きました。
当時山歩きは休止中だったが、仕事で上林の街道を往来していたこともあり興味深く読んだ記憶があり、いつか訪ねてみたい思っていたいた所である。
ネット上には様々なマイナーな山行記録もあるが、この滝について記載があったのはなべちゃんのHP試作箱だけであった。綾部上林周辺の山々を極めたいと思ってる私にとって先生のような方で何時も記録を参考にさせてもらっている。そしてコメントをして頂けるもっさんのお二方のおかげで所在もわかり、訪ねることが出来た。あらためてお二人には感謝申し上げます。
古屋集落はずれを11:00に長靴を履いてスタートした。洞峠登り口を過ぎ、まず左手の谷(北谷?)に入ってみた。植林も少なく自然林の谷であった。古いワイヤーと滑車が残っていたが伐採の後のようなモノは見受けられない。奥にはこれまた古いのか近年のものか不明の罠があり1/3ほどは土に埋まっている。
何時もは暗い谷ばかりだが、今日は天気も良くこんな明るい雰囲気は初めてだった。新緑もいきいきと見える。
トチの大木も何本かありこの辺の谷はなかなか良い。
フデリンドウ
マムシソウグサ おっかなそうな名前
檻の所で引き返し、さらに奥の谷へ。綾部市名木のプレートの左の谷へ向かう。この先谷はさらに分かれており、保護具着用の旗がある。これまた左へ進み、爺谷へと入る。これまた分かれているのだが、二つとも爺谷なのか、先の北谷の名称が違うのか、又聞きなので定かではない。北谷もだがこの旗より奥は踏み後はなく沢の中や側を歩く。
名木指定以外にもトチの大木が何本かあり、後で見返してもどれが名木かよくわからない。その一本一本が風雪に耐えた個性豊かな姿を見せてくれる。
流れが細くなった所で、鹿の踏み後がある支流を登ってみた。するとそこは、Y字の原頭部にあたり柔らかな曲線を描く斜面と新緑の天井を持つ小さな平地(といっても斜面だったけど)であった。私だけが見つけたスポットのようであり、その綺麗さに嬉さがこみ上げてきた。
少しレタッチしてます
爺谷の滝とその奥の流れ
旗の所まで戻り、いよいよ堂奥谷へ。流れも弱いし、滝なんかなそうな雰囲気で先の滝がそうだったのかもと考えていると、あった、あった。念願(?)の所に来れてちょっと小躍り。
段数は不明だったが、数十mの滝で、傍らには門のようにトチ(?)の大木が2本。目の肥えた滝見が好きな人には物足りないが、名も無き滝も捨てたモノではない。
ちょっと残念なのがあまり写りが良くない。まだ入ってないトチの谷や、以前見上から垣間見た小滝もあるので、また行く時もあるかなと慰める。
帰って片付けするとレンズキャップを何処かに落としてきたようだ。ありがちな一升瓶や空き缶など一切見なかっただけに余計なゴミを残してきたと反省する。
参考ページ なべちゃんの散歩道 秘境の大発見 昼も暗いトチの林をぬって流れる無名の滝
リンクは5月末で切れると思います。
後日、また行ってきた。(好きだねー)そしてもう一つ谷を歩いてきた。この周辺はトチがほんと多い。
上の写真はフォト蔵へのリンクしてるので見ていただけると嬉しい。。
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